こんばんは。シルミノです。
昨日、艦娘がどうやって水上を航行しているのかを考えていました。
まず一般的な絵がこちら(Fig. 1)です。モデルは吹雪さんです(そうは見えない)
Fig. 1
空気抵抗F1と、水の抵抗F2が主に艦娘にかかります。F1<F2です。いずれも速度に比例して大きくなります。
このことから、一般的に言われる「水上スケート」とは異なる現象が考えられます。
それは、『足を上げることはできても、下げた瞬間に足のタービン出力が追い付かず、水に足首を持っていかれる』です。
ですから、左足が不慮の事態で浮いた場合には右足の後ろからそ~っと足を下ろすなどの高等テクニックが要求されます。
しかし、40ノット(70 km/h程度)という高速では、直立することすら難しいかもしれません。空気抵抗が大きくなるからです。スピードスケートで60 km/h程度ということを考えると、腰を落としたり、体を傾けてみたりする必要があります。
Fig. 2
Fig. 3
ただ、上(Fig. 2)みたいに脚を北上さんみたいにする方式は高等テクニックと言えるでしょう。なぜなら、この状態だと速度制御をミスったときに脚を持っていかれるからです。
ですから、下(Fig. 3)のように両足を揃えるのがスタンダードとなるでしょう。姿勢はスキージャンプの飛ぶ前みたいになるかと。
また、砲撃は急減速からのタービン故障につながりかねないので正面には撃てず、体を横にする必要があると思います。反動に備えて、軽く足を横に開くあるいは体を撃つ方向に倒しておくなどの処置が必要です。でも後者をやると撃つ方向に進路が曲がってしまうかもしれません。
水しぶきと煙はだいたい図の通り。
さて、ここで読者の方は画面の前でこのポーズをやってみたはずです。
非常にダサい。
さて、続いて駆逐艦以外も考えていきましょう。巡洋艦はあまり変わらないと思うので、まずは空母です。
アニメの赤城さんがやたら叩かれていましたが、やっぱり力学的に違和感があるのが原因だと思います。
空母(弓道式)は弓道の会の姿勢に近いことをやらないといけません。ただし、足にタービンがあるのでつま先は進路方向を向いています。
ここで問題となるのは空気抵抗です。直立に近いのでもろに空気抵抗を受けます。これでは艦載機を飛ばすなんて不可能です。狙いもつかないし転倒の可能性すらある。
そこで考えたのがこれです。
Fig. 4
速度制限。
たぶん低速じゃないと飛ばせません。それにしたがってFig. 4のように水しぶきも減ります。10 km/h程度ならできると思います。いやあ、訓練が必要ですね。
召喚式(龍驤とか)も、紙のお札を使っているので低速で飛ばし、その後に回避行動として加速するでしょう。体は小さいので加速はしやすいはずです。
これより問題なのが戦艦です。絵は適当ですが長門や金剛のつもりです。
艤装が横長なのですが、これが空気抵抗的に非常に邪魔になります。
そこでこうなります。
Fig. 5
ほとんど横向き航行。
でもやっぱり空気抵抗に押されるのであまり速度は出ません。実物も駆逐艦より遅いし、多少はいいのかな?タービンと足首が強い可能性は否定できません。
実物もほぼ横にしか撃てないので陣形などの効果もそのまま説明がつきます。
速度がやや遅い分、水しぶきは控えめです。
その点、島風は非常によく考えられたデザインだと思います。Fig. 6をご覧ください。
Fig. 6
連装砲ちゃんの利用。
連装砲ちゃんが分離していることで空気抵抗は島風本体だけを考えればよく、さらには連装砲ちゃんを前方に配置することで本体への空気抵抗を低減。これにより40ノットを実現できるということですね。
腰を落としていないのは、スキージャンプの飛んだあとのイメージです。空気抵抗が弱い分、こんなのもできるだろうという推測です。水しぶきは背丈を超えてくるでしょう。はっやーい。
まとめます。
1. 艦娘はかがまないと高速航行できない。
3. 横を向いて撃つ必要があり、特に戦艦では顕著。
ということで、抵抗力やモーメント、レイノルズ数などの「力学」を意識して考察するとこうなりました。艦これ運営のみなさん、今後参考にしてください(?)
アニメでブッキーが血のにじむような訓練をしたのも、このような高等テクニックを身につけるためだと思えば納得です。
それでは。