艦これプレイノンフィクション(事実を基にし、フィクションを追加しています)
軽巡那珂の航跡 ~遊撃隊、出動せよ!~
プロローグ
――8月、舞鶴。
蒸し暑さの中、地元から比較的近場だということで鎮守府に志願し、俺は一艦隊を率いることとなった。一人に一艦隊とは、贅沢な時代になったものだ。好奇心だけで志願した者にも艦隊を率いさせるとは。それに加えてやたらと人が多い。まさか全部提督ということはないだろうが……。まあいい、与えられた工廠へ向かうとする。
――
徒歩30分。遠い。もはや舞鶴と呼べるのか怪しい。そろそろ高浜である。そして道中、数千、いや数万の工廠を見てきた気がする。もしやあの人だかり、全員が提督なのではないか。そのあたりの情報も含めて、この先の自分の工廠で確かめねばなるまい。
さて、ようやく着いた。他もそうだが、工廠自体は小さい。バス4台分くらいのスペースに半分は工作機械群、他はコンクリートの地面があるだけだ。そして自分の勤務先……司令部は広いマンションのようなたたずまいである。一人にこれが一棟つくというから驚きだ。1階のエントランスから階段を上がると司令室である。ここに任務や指揮の説明をしてくれるという「秘書」がいるらしいのだが。不安半分、気合半分、司令室の扉を開ける。
「はわわわ、びっくりしたのです……。」